野良ロボットを防ぐガバナンス(台帳管理・開発ルール・レビュー・引き継ぎ)
誰が作り、何をしているのか分からない「野良ロボット」が生まれる原因と、ロボット台帳、開発ルール、公開前のレビュー、異動・退職時の引き継ぎといった、防ぐための仕組みを解説します。
野良ロボットとは
野良ロボットとは、作った人や目的、動いている場所が把握されていないロボットのことです。現場で自由に作れるようになると、便利な反面、担当者が個人的に作ったロボットが増えていきます。作った人が異動や退職でいなくなると、誰も中身を知らないまま動き続け、ある日止まったときに対応できない、ということが起きます。
さらに危険なのは、止まらずに誤った処理を続けているケースです。業務ルールが変わったのにロボットが古いルールのまま登録を続けていても、誰も気づかないことがあります。
ロボット台帳で全体を把握する
ガバナンスの土台は、すべてのロボットを1つの台帳で管理することです。台帳には少なくとも次の項目を記録します。
- ロボット名と、行っている業務の概要
- 業務の担当部署と、ロボットの管理者(主・副)
- 操作するシステムと、使うアカウント
- 実行のスケジュールと、入力・出力のファイルの場所
- 稼働開始日、最終変更日、変更履歴の場所
開発ルールを決める
ロボットの作り方がばらばらだと、作った人以外が読めなくなります。命名のルール(ロボット名、変数名、ファイル名)、エラー時の扱い(Try ステップでの分岐、ログと通知の残し方)、パスワードをロボットの中に書かないこと、などを開発ルールとして文書にしておきます。
ルールは最初から細かく決めすぎると守られなくなります。まずは「これだけは守る」という項目を数個に絞り、運用しながら足していく方が定着しやすくなります。ルールの文書には、良い例と悪い例を1つずつ添えておくと、初めての人にも意図が伝わりやすくなります。
本番に載せる前のレビュー
新しいロボットや大きく変更したロボットを本番に載せる前には、作った人以外がレビューする手順を入れます。レビューでは、開発ルールが守られているか、例外やエラーの扱いが適切か、テストの結果が十分か、台帳への登録が済んでいるかを確認します。
本番の環境(Management Console への登録など)に載せる権限を、推進チームなど限られた人に絞っておくと、レビューを経ないロボットが本番で動くことを防げます。変更時の手順は、変更管理の記事で詳しく解説しています。
異動・退職時の引き継ぎ
人事異動の時期は、ロボットの管理者が変わる時期でもあります。異動や退職が決まったら、台帳でその人が管理者になっているロボットを洗い出し、後任を決めて引き継ぎます。引き継ぎでは、台帳と手順書、変更履歴をもとに、実際にロボットを動かして結果を確認するところまで一緒に行うのが理想です。
後任が決まらないロボットは、止めることも含めて検討します。誰も責任を持てないロボットを動かし続けるより、いったん手作業に戻す方が安全な場合もあります。年に一度、台帳のすべてのロボットについて、管理者と業務がまだ有効かを確認する棚卸しを行うと、野良ロボットの発生を早めに防げます。
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