RPA の社内展開の進め方(パイロット業務の選び方から横展開・体制づくりまで)
RPA を社内に広げるときの、パイロット業務の選び方、本番運用への移行、他部署への横展開の順序と、推進の体制、情報システム部門や業務部門との調整のポイントを解説します。
いきなり全社に広げない
RPA の導入では、最初から多くの部署に一斉に展開しようとすると、問い合わせや不具合への対応が追いつかず、「RPA は止まってばかりで使えない」という印象が広がってしまうことがあります。一度ついた悪い印象を取り戻すのは大変です。
おすすめは、小さく始めて成功例を作り、その経験をもとにルールと体制を整えてから広げる進め方です。大まかには「パイロット→本番運用→横展開」の3段階で考えます。
パイロット業務の選び方
最初の業務は、効果の大きさよりも、確実に成功させられることを優先して選びます。業務の選び方の一般論は別の記事で解説していますが、パイロットでは特に次の点を重視します。
- 手順が決まっていて例外が少ない
- 失敗しても影響が小さい(社内向けの集計や資料作成など)
- 業務の担当者が協力的で、テストや確認に時間を割いてもらえる
- 効果が目に見えやすい(毎日の作業がなくなる、など)
パイロットから本番運用へ
パイロットでは、ロボットを作るだけでなく、運用の型を作ることが目的です。エラーが起きたときに誰が気づき、誰が対応するのか、変更依頼をどう受けるのか、アカウントをどう管理するのか、といった運用のルールを、実際に動かしながら決めていきます。
1〜3か月ほど本番で安定して動いたら、効果を測定して報告します。この時点で、開発の手順書、テストの進め方、運用ルールを文書にまとめておくと、次の段階で役立ちます。うまくいかなかった点も隠さずに記録しておくと、次の業務を選ぶときの判断材料になります。
横展開の進め方
横展開では、パイロットと似た業務を持つ部署から広げると効率的です。たとえば、ある部署の帳票作成ロボットがうまくいったら、同じシステムを使う別の部署の帳票作成に応用する、といった形です。
部署から自動化したい業務を募集する場合は、申請の様式を用意し、業務の手順や件数、例外の多さを書いてもらうと、優先順位を付けやすくなります。すべての依頼に応えるのではなく、効果と難しさで順番を決め、その理由を依頼元に説明できるようにしておきます。
体制と関係部署との調整
展開が進むと、ロボットの数が増え、開発よりも保守と運用に手間がかかるようになります。推進の担当者(推進チーム)、各部署で業務を説明しロボットの結果を確認する担当者、サーバーやアカウントを管理する情報システム部門の役割分担を決めておきます。
情報システム部門とは、サーバーの準備、ネットワークや権限の設定、システムの更新予定の共有などで、早い段階から協力が必要です。特に、ロボットが操作している社内システムの画面が変わる予定は、事前に知らせてもらえる関係を作っておくと、ロボットが突然止まる事態を減らせます。野良ロボットを防ぐルールづくりについては、ガバナンスの記事もあわせてご覧ください。
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