RPA の効果測定(削減時間の算出方法と、開発・保守時間を差し引いた報告の仕方)

公開日:2026年10月7日 執筆:Takuya カテゴリ:業務選定・設計

ロボット導入の効果を「件数×1件あたりの時間×頻度」で算出する方法と、開発・保守にかかった時間を差し引いた実質的な効果の見方、関係者に納得してもらえる報告のまとめ方を解説します。

効果測定が必要な理由

RPA を導入すると、「何時間削減できたのか」を必ず聞かれます。数字で効果を示せないと、次の業務への展開の予算や協力が得にくくなります。また、効果の小さいロボットを保守し続けることのむだにも気づけません。

効果測定は、導入した後に慌てて行うのではなく、導入前に基準となる数字を測っておくことが大切です。作業時間を後から思い出して見積もると、どうしても大きめ、あるいは小さめになりがちです。

削減時間の基本の計算式

削減時間は、基本的に次の式で求めます。

  • 年間の削減時間 = 1回あたりの処理件数 × 1件あたりの作業時間 × 年間の実施回数
  • 例:1日40件 × 1件3分 × 年間240日 = 28,800分 = 480時間

数字を正しく測るコツ

1件あたりの作業時間は、担当者に実際に何件か作業してもらい、時間を測るのが確実です。人によって差がある場合は、複数の人の平均をとります。件数と頻度は、過去数か月分の実績から求めると、繁忙期と閑散期の差も反映できます。

見落としやすいのは、ロボットに任せた後も人の作業が残る部分です。ロボットの結果の確認、エラーになった分の手作業、差し戻しの対応などにかかる時間は、削減時間から差し引きます。「ロボットが処理した件数」ではなく、「人の作業が実際にどれだけ減ったか」で考えるのがポイントです。

開発・保守の時間を差し引く

ロボットを作るにも、動かし続けるにも時間がかかります。正直な効果を示すには、次の時間も合わせて記録しておきます。

  • 開発時間:業務の整理、手順書の作成、ロボットの作成、テスト
  • 保守時間:エラー対応、画面変更への修正、変更依頼への対応、定期的な確認
  • 運用時間:結果の確認、アカウントや設定ファイルの管理

実質的な効果の見方

初年度は「削減時間 − 開発時間 − 保守時間」、2年目以降は「削減時間 − 保守時間」で見ると、ロボットが実際にどれだけ役に立っているかが分かります。削減時間が年間480時間でも、保守に年間200時間かかっていれば、実質の効果は280時間です。

保守時間が削減時間に近づいているロボットは、作り直しや業務の見直し、場合によっては廃止を検討する対象です。業務の選び方の段階でこうしたロボットを避ける考え方は、業務選定の記事で解説しています。

報告の仕方

報告では、時間の数字だけでなく、時間以外の効果もあわせて伝えると、関係者に伝わりやすくなります。入力ミスの件数が減った、締め時刻に余裕ができた、担当者が残業せずに済むようになった、といった変化は、時間の数字以上に現場の実感に近いものです。

一方で、削減時間を人件費に換算して大きな金額を示すときは注意が必要です。削減できた時間がそのまま人件費の削減になるとは限らず、別の業務に充てられていることが多いためです。「削減時間」と「その時間を何に使ったか」をセットで報告すると、数字が実態から離れず、信頼される報告になります。

※BizRobo! は RPA テクノロジーズ株式会社の製品です。本サイトは同社とは関係のない個人の解説サイトです。画面や機能の名称は、製品のバージョンによって異なる場合があります。

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