【食品製造】基幹システムと倉庫管理システムの在庫数を突合し、差異を報告するロボットのシナリオ

公開日:2026年10月7日 執筆:Takuya カテゴリ:業種別シナリオ

基幹システムの帳簿上の在庫と、倉庫管理システムの在庫数を品目・ロット単位で突き合わせ、差異のある品目を一覧にして報告するロボットの流れと、突合のキー、タイミング、例外処理のポイントを解説します。

想定する業務

食品メーカーでは、基幹システム(販売・生産・会計の帳簿)と倉庫管理システム(実際の入出庫と保管場所)の両方で在庫を管理していることがよくあります。本来は同じ数になるはずですが、入力の遅れや誤り、返品・廃棄の処理漏れなどで差が出ます。差が放置されると、在庫があると思って受注したのに出荷できない、決算の棚卸で大きな差異が見つかる、といった問題につながります。

このシナリオでは、毎日決まった時刻に両方のシステムから在庫数を取得して突き合わせ、差異を一覧にして担当者に報告します。システム名や項目は説明用の架空のものです。

入力と出力

入力と出力は次のとおりです。

  • 入力1:基幹システム(架空)の在庫一覧(品目コード、ロット番号、賞味期限、帳簿在庫数、単位)
  • 入力2:倉庫管理システム(架空)の在庫一覧(品目コード、ロット番号、保管場所、在庫数、単位)
  • 入力3:単位換算表(ケースと個数の換算など)
  • 出力1:差異一覧(品目、ロット、両方の数、差、差の金額の目安)
  • 出力2:突合できなかったデータの一覧と、全体の件数のまとめ

ロボットの処理の流れ

両方のシステムで入出庫の処理が止まっている時間帯に取得することが、正しい突合の前提です。

  1. 実行時刻が両システムの日次締めの後であることを確認する
  2. 基幹システムにログインし、在庫一覧を出力・取得する
  3. 倉庫管理システムにログインし、在庫一覧を出力・取得する
  4. 単位換算表を使って、両方の数を同じ単位にそろえる
  5. 倉庫管理システム側を品目コード・ロット番号ごとに合計する(保管場所が分かれている分をまとめる)
  6. 品目コード・ロット番号をキーに突き合わせ、数の差を求める
  7. 差があるもの、片方にしかないものを差異一覧に出力し、件数と主な差異を担当者に通知する

例外処理

片方のシステムにしかない品目・ロットは、入荷や出荷の入力のタイミングのずれであることが多い一方、ロット番号の入力誤りの可能性もあります。「片方のみ」として区別して一覧にし、担当者が原因を確認できるようにします。

単位換算表にない品目は、推測で換算せず「換算不可」として別に記録します。どちらかのシステムからデータを取得できなかった場合や、取得した件数が普段より極端に少ない場合は、突合を行わずにエラーとして通知します。一部のデータだけで突合すると、大量の誤った差異が報告されてしまうためです。

設計のポイント

差異はすべてを同じ重さで並べるのではなく、差の金額や賞味期限の近さで並べ替えると、担当者が優先順位を付けやすくなります。わずかな差を毎日報告すると一覧が埋もれてしまうため、報告の基準(例えば一定数量以上の差)を業務部門と決めておくのも有効です。

差異の原因を調べて在庫を修正するのは、倉庫や在庫管理の担当者の仕事です。ロボットは差を早く見つけて知らせる役割に徹し、在庫数の修正は行いません。受注から出荷指示までを扱う食品製造の別シナリオと組み合わせると、出荷前に在庫のずれに気づける仕組みになります。差異の件数の推移を記録しておくと、入力ルールの見直しなどの改善の効果も確認できます。

※BizRobo! は RPA テクノロジーズ株式会社の製品です。本サイトは同社とは関係のない個人の解説サイトです。画面や機能の名称は、製品のバージョンによって異なる場合があります。

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