【銀行・経理】請求書データと発注データを照合し、支払予定表を作るロボットのシナリオ
取引先から受け取った請求書のデータと、自社の発注・検収データを照合し、一致したものから支払予定表を作り、差異のあるものを担当者に回すロボットの流れと、照合ルール・例外処理のポイントを解説します。
想定する業務
経理部門では、取引先から届いた請求書の内容が、自社が発注し検収した内容と合っているかを確認してから支払いを行います。請求書の件数が多い月末には、発注番号を探して金額を見比べる作業に追われ、確認漏れや支払いの遅れが起きやすくなります。
このシナリオでは、請求書のデータ(電子で受け取ったもの、または読み取り済みのもの)と、購買システムの発注・検収データを突き合わせ、一致したものを支払予定表にまとめます。システム名や項目は説明用の架空のものです。
入力と出力
入力と出力は次のとおりです。
- 入力1:請求書データの一覧(取引先コード、請求書番号、発注番号、請求金額、税額、支払期日)
- 入力2:購買システム(架空)の発注・検収データ(発注番号、取引先コード、検収済み金額、検収日)
- 入力3:取引先マスタ(支払条件、振込先)
- 出力1:支払予定表(支払日ごとの取引先・金額の一覧)
- 出力2:差異一覧(照合できなかった請求書と、その理由)
ロボットの処理の流れ
照合は「発注番号で探す→金額を比べる」の順に行い、どの段階で一致しなかったかを記録します。
- 請求書データの一覧を読み込み、必須項目(発注番号、金額、支払期日)がそろっているかを確認する
- 購買システムから、対象期間の発注・検収データを取得する
- 請求書ごとに、発注番号と取引先コードで発注データを探す
- 見つかった場合、請求金額と検収済み金額を比べる(税額の端数処理の差は許容範囲を設ける)
- 一致したものは、取引先マスタの支払条件から支払日を求め、支払予定表に加える
- 一致しないものは、理由(発注番号なし、未検収、金額差異、取引先違い)を付けて差異一覧に加える
- 支払予定表と差異一覧を出力し、件数と合計金額を担当者に通知する
例外処理
1枚の請求書に複数の発注がまとめられている場合や、1つの発注が分割して請求される場合は、単純な1対1の照合では一致しません。こうしたパターンが一定の割合を占めるなら、合計金額での照合ルールを追加しますが、件数が少ないうちは差異一覧に回して人が確認する方が確実です。
同じ請求書番号が二度届いた場合は、二重払いを防ぐため、2件目以降を「重複の可能性」として必ず差異一覧に入れます。過去に支払予定表に載せた請求書番号を記録しておき、毎回それと照らし合わせるようにします。
設計のポイント
金額の許容範囲(例えば税額の1円未満の端数差)をどこまで認めるかは、経理の責任者に決めてもらい、設定ファイルに書いておきます。ロボットの判断で勝手に許容範囲を広げないことが大切です。
ロボットが作るのは支払予定表の案であり、実際の支払いの承認と振込の操作は、人が確認してから行います。入金側の明細を扱う銀行・経理の別シナリオと同じく、お金の動きに関わる最終判断は人に残す設計にしておくと、万一の誤りにも気づきやすくなります。
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